20184.30(MON) TOPICS
「熊ゴローさんを取り戻すっていうテーマは自分の気持ちを強く持てる」デビューから8カ月!新人・佐藤が土肥熊復活に立ち上がる!佐藤嗣崇インタビュー
昨年の9月2日の横浜文化体育館大会でデビューした佐藤嗣崇。未だ初勝利を上げられないながらも、大きな体格を活かしたファイトで着実に成長を遂げている。そんな中、最も慕っていた先輩の土肥孝司&熊ゴローの土肥熊が決裂。熊ゴローが土肥を裏切り、Enfants Terribles入りしてしまったことに心を傷めている。そして、佐藤は熊ゴローのEnfants Terriblesよりの奪還を宣言。かつての優しい先輩であった熊ゴローに戻し、土肥熊復活をテーマに掲げて、5月からのW-1のリングでの闘いに挑む。そんな佐藤に話を聞いてみた。
──佐藤選手がデビューして半年以上が経ちましたけど、振り返ってみていかがですか?
佐藤 去年の4月に入門してちょうど1年経ったんですけど、デビューするまでいろんな先輩がかわいがってくれたんですよ。僕一人しか新弟子がいなかったということもあるんですけど、その中でも特別かわいがってくれて面倒を見てくれたのが土肥熊さんなんですよね。ちょうど3月にお二人でタッグのベルトを獲って、デビュー戦の時も自分たちはセミファイナルの試合なのに第1試合の僕のデビュー戦にセコンドに就いてくれて。このお二人にお世話になったということが練習生生活の中ではでかいですね。
──練習生が一人だとそのつらさを共有できる人もいないし、その中で優しい先輩がいてくれたことで挫折をせずにデビューできたということですか。
佐藤 練習生の時は一日一日が本当に早くて、苦しいこともあるんですけど、先輩たちのおかげで充実した日々を送らせていただけましたね。
──でも、佐藤選手はプロレス総合学院の3期生として卒業して、同期の皇壮馬選手とボラ・デ・アロス選手はACEに所属しましたから、違う道を選んだわけじゃないですか? その中で皇選手は卒業後はACEの選手としてW-1のリングにずっと上がっていた。でも、佐藤選手は半年間練習生をやっていてその様子を見ていたわけじゃないですか? どう思っていたんですか?
佐藤 壮馬の存在も大きいですよね。練習なんかも一緒にやっていましたし、試合に帯同しても同期だから上下関係がないので話しやすいし。もちろん壮馬が試合をしていたのは羨ましいとも思ったんですけど、僕はW-1所属という形でW-1のリングに上がれるので、それはでかいと思いました。
──なるほど。でも、デビューしてからまだ初勝利をあげることができていません。それについてはどう思われているんですか?
佐藤 デビュー戦の相手が一さんだったんですけど、体格差もあるし、勝てるかなと思いが凄く強かったんですよ。でも、負けてしまって。負けた時に土肥さんからは「デビュー戦は負けたほうがいいんだよ」って言われたんですけど、その時はまさかここまで勝てないとは想像してませんでしたね。
──身長185センチというW-1の選手の中でも恵まれた体格を持っているわけですもんね。
佐藤 河野さんが192〜3ぐらいあるので、その次に大きいのが僕なんですけど、やっぱりプロレスって厳しいなと。奥深さを日々味わっています。
──なるほど。そして先程お話にもありましたけど、いろいろな先輩がいる中で、特に土肥熊のお二人にお世話になってきたということで、熊ゴロー選手がEnfants Terriblesに入ってしまった事件はショックが大きかったと思うんですけど。
佐藤 ちょっと考えられないことが起きてしまいましたね。4月の後楽園大会はセコンドに就いていたので、負けたのもショックだったし、その後の熊ゴローさんの行動がさらにショックで言葉にならなかったですね。土肥熊さんが決裂するなんてあり得ないと思っていたんですけど、もし裏切るんなら土肥さんのほうだとお客さんも思っていたと思います。熊ゴローさんのことを「もういらねえよ」ってなるほうが、低い可能性の中でも一番可能性が高かったというか。だから、熊ゴローさんが裏切るなんてまさかという感じですよね。
──そういうショッキングなことがあってから、佐藤選手はTwitterや4月21日の焼津大会の試合後のバックステージでも「熊ゴローさんを取り戻す」と公言してはばからないですよね。
佐藤 焼津の試合では土肥熊のTシャツを着て入場したんですよ。いきなりこのタッグがなくなってグッズ担当の人たちも困っていると思うんで、僕が土肥熊を復活させて売り上げにも貢献しますよ(笑)。
──まあ在庫処理の問題はありますよね(笑)。でも、そういうこと抜きにしても戻ってきてほしいですか?
佐藤 熊ゴローさんって力強いファイトをしますけど、愛されキャラというかお客さんに応援されて強くなっていったというイメージがあるんですよね。それなのに反則とかして勝って、何がうれしいんだかわからないですよ。僕は土肥熊さんにそんな教わり方してないんで。
──自分に教えてきたプロレスと全然違うじゃないかと。
佐藤 そうです。で、この間の会見を見ていたら土肥さんが「熊ゴローさんには触れたくない」というようなことを言っていたじゃないですか? 近藤さんも言っていましたけど、そんなスカしたコメント気に入らないですよ。力づくでも取り戻すっていうのが普通かなと思うんですよね。だから、土肥さんに関しても疑問点はありますね。
──本当は土肥選手が一番ムキになって向かっていかなきゃいけない立場ですよね。
佐藤 僕が発言してムキになってやっていますけど、普通は土肥さんがムキになってやらないとおかしい状況なんですよ。もっと土肥さんにも本気になってもらって、僕と土肥さんで熊ゴローさんを連れ戻したいですね。
──そして土肥熊佐藤のトリオを実現したい、と。
佐藤 まだその3人で組んだことがないんですよ。どっちかと組んだことすらないんで、とにかく試合がしたいんですよね。ただ、現状では僕は熊ゴローさんとの試合が組まれていない。直近では5月2日に大阪で試合がありますけど、そこでは土肥さんが当たるんですよね。後楽園まで日がないですけど、なんとか土肥さんには悪いことをしてないで元に戻ってもらって、タッグのタイトルマッチに臨んでもらいたいし、土肥さんにはその思いをプロレスで伝えてもらいたいですね。僕は試合が組まれていない以上は仕方がないので、こういう取材とかバックステージとかで発信して熊ゴローさんに訴えていきたいです。
──自分でアピールしないと何も始まらないですもんね。
佐藤 まあ、まだ初勝利を上げてない人間が何を言っているんだって思われるかもしれないですけど、それとこれとは別なんで。
──でも、そういうモチベーションで闘っているといずれ初勝利につながるかもしれないですからね。
佐藤 そこはしっかりとやっていきたいですね。焼津のメインのあとも征矢さんのマイクを取っていろいろ言わせてもらったんですけど。
──征矢選手からはセコンドに就いてくれって言われてましたよね。
佐藤 征矢さんには練習を一緒にさせてもらったり、営業も一緒に行かせてもらったりして凄くお世話になっているんですよ。だから、征矢さんにもタイトルマッチで勝って防衛して、熊ゴローさんを更生してくださいという思いを託したいです。征矢さんも一時期悩んでいたので、そういう意味では熊ゴローさんの気持ちをわかってくれると思うんですよ。今は二冠王で勢いに乗っているし、熊ゴローさんを変えてくれる可能性があるかなと思っています。
──でも、もし征矢選手とAKIRA選手のタッグが負けた場合は、自分が土肥選手なりと組んで熊ゴロー選手の更生に乗り出すという気持ちもないですか?
佐藤 負けた場合は熊ゴローさんがどうなっていくかわからないし、凄く不安があります。でも、後楽園以降はまだカードも組まれてないし、どうにか僕が絡んでいって、熊ゴローさんを更生させたいですね。NEW ERAも解体されたし、皆さんいろいろと行動を起こしていくと思うんで、僕も置いていかれないように自分から発信していきたいです。初勝利というテーマを掲げてこの8カ月間は闘ってきましたけど、心のどこかで「今日も負けるのかな」っていう不安を抱えていたんですよ。でも、熊ゴローさんを取り戻すっていうテーマは自分の気持ちを強く持てるし、何度やられても食らいついていきたいですね。
──土肥熊復活を目指しつつ、自分も浮上するきっかけになればいいですよね。
佐藤 土肥熊利用してお前が上に上がるんかって思われるかもしれないですけど、とにかく復活させたいんですよ。僕も初勝利をして、3人でUWAのベルトを獲るというのが僕の中での理想的な流れですね。そして去年の文体では土肥熊さんも僕も負けてるんですけど、今年は土肥熊さんも僕も勝つ。そういう目標を実現させるためにもまずは土肥熊さんが復活しないと意味がないですから。
──わかりました! では、今後の活躍も期待しています!