- 第一試合
- シングルマッチ
- 3分41秒
- フェイスロック
W-1初登場となる和志組の牙城は幟を持ったたくさんのセコンドと一緒に入場。一方、デビュー2戦目の佐藤は若者らしく勢い良く駆け込みながらリングイン。しかし、そんな佐藤の勢いをくじくように、牙城は序盤からパワーを発揮。佐藤の胸板にナックルを叩き込み、スリーパーでスタミナを奪う。佐藤もカウンターのエルボーアタックで反撃を試みるが、続くボディスラムは重くて持ち上がらない。しかし、牙城が突っ込んできた勢いを利用してボディスラムで叩きつけてみせた。さらに張り手で攻め込む佐藤だが、牙城のカウンターの強烈なスピアーを食らって悶絶。最後はサッカーボールキックからのグラウンドでのフェイスロックでギブアップを喫した。
牙城のコメント
「今日は闘真の強さとエグさを見せつけるためにこの猛獣の檻の中のW-1というリングに一人で喧嘩売りにきました。まあ、やってみた感じ、正直W-1の先輩たちは超強いんですけど、(コスチュームを指して)俺も黄色黒、天龍さん、川田さん、そしてうちのボス・宮本和志の色を受け継いでいる以上、誰が来ても引かないから。誰が相手でもいつでもやってやるから。街歩いている時でも襲ってきてもいいよ。ブルース・リーでもモハメド・アリでも誰でも喧嘩するから。俺たちエグい団体からすれば、もうちょっと俺を殺すつもりでこないと。佐藤選手は倒すつもりで来たでしょ? そこの違いかな。まあお客さんの意見と団体の意見、そういうのを踏まえたうえで、『牙城、お前はぶっ倒さないと気がすまない』っていう人間がいるなら俺はいつでもやってるから。それだけ」
佐藤のコメント
「牙城さん、大きいですね。体重が20キロ違うだけでパワー違うし、もっと大きくなってあの体型を超えられるようなプロレスラーになれるようにがんばっていきます。ACEの人たちもがんばっていますけど、僕はW-1なんで違うというところを1試合1試合見せて、佐藤は違うんだなというところを見せたいなと思います」
- 第二試合
- タッグマッチ
- 5分56秒
- ソルティプラッシュ→片エビ固め
三富は格の違いを見せつけるように皇の顔面にステップキック、さらにフットスタンプを見舞っていき、さらに逆エビ固めで締めつけ、続けてマウントを取って張り手を連発だ。これにはACE勢も激怒。一がカットに入ると、その隙に皇がミサイルキックを炸裂させていく。だが、ロープに飛んだところをライオンがキックでアシスト。その間に三富が攻め込み、最後はソルティスプラッシュでフォールを奪った。三富とライオンは試合後も皇を暴行し続け、勝ち誇っていた。
三富&ライオンのコメント
三富 ACEってどんな団体ですか? インタビューを読んだんですけど、一くんって総合学院卒業してDDTでデビューできなくてACEに拾ってもらったんでしょ? 寄せ集めじゃないですか。
ライオン 素人集団。
三富 なんでこのW-1に上がれるんだ? ライオンちゃん、正直試合したいよね。なぜなら幸福になりたいから。プロレスラーになりました。でも、上がる団体がないから、しょうがいないから総合学院を運営しているW-1が試合をさせてあげなきゃいけない。そんな奴らのプロレスより俺たちのような幸福になりたい男たちの試合を見せてほしいよね。全国に僕のネットワークがあるんで、本当に幸せになりたい、お客様たちが幸せになるプロレスをやります。
一&皇のコメント
一 確かにお金を払って練習させてもらった。でも、楽だったことなんて一度もねえんだよ! プロレスラーとして生きていくってこっちだって全力なんだよ。生きてんだよ! ナメんじゃねえぞ! ACE、俺たちはこれからだ! ナメんじゃねえぞ!
皇 クソッ! 次だ! 次は絶対勝ってやる!
一 あと三富が連れてくる奴ら、わかってるのかわかってねえのかわかんねえけど、全員ナメてかかんじゃねえぞ! 全員俺たちの敵だ!
- 第三試合
- タッグマッチ
- 5分35秒
- Fucking bomb→体固め
火野が出てきた途端児玉が逃げ腰になる。立花がタッチを求めても、コーナーから場外に逃げて拒否。孤立してしまった立花だが、なんとか気力を振り絞りうんこ座りで火野を睨みつけていく。しかし、火野の貫禄に徐々に引き気味に。火野が立花を睨んでいるその隙に児玉がイス攻撃を仕掛けるも、ジェイクが後ろからアシストして回避。立花の竹刀攻撃も火野がラリアットで粉砕してしまう。そしてジェイクが児玉をバックブリーカーで傷めつけてから、最後は火野がFucking bombであっという間に立花から3カウントを奪ったのだった。
火野&ジェイクのコメント
火野 なんやったんやあいつは。まあ火野&ジェイク初めてのタッグやけど、相手が弱すぎてジェイクの実力がわかる前に決まりましたからね。タッグ始まるんやろう? タッグリーグ始まるみたいやから、この2人で優勝。ジェイク、わかる? タッグリーグスタート。
ジェイク はい!
火野 ネクストウィーク。火野&オーメン、よろしく。
ジェイク スゴイ。
児玉&立花のコメント
立花 なんでタッチしないんですか?
児玉 無理だよ、おめえがやれよ。イキってたでしょ?
立花 全然普通ッスよ。タッグじゃないすか?
児玉 お前凄いな。でも、ちょっとやべえな。火野&ジェイク。
立花 いちころッス。
児玉 凄いな。
- 第四試合
- 6人タッグマッチ
- 15分53秒
- ディープ“M”インパクト→体固め
試合はクルーザー王者の吉岡と8月の後楽園大会で吉岡とアンディの勝者に挑戦表明をしていたMIKAMIでスタートするが、そのうち吉岡組が頓所を捕獲する。だが、チームワークがチグハグ。MAZADAも仲川も吉岡のタッチをまともに受けようとせず、なぜかMAZADAと対する頓所に吉岡が檄を飛ばす始末。挙句の果てには吉岡はその頓所からエルボーを食らってしまうなど、各人の思惑が入り乱れる展開となった。それでも吉岡組は頓所を孤立させてローンバトルに持ち込む。吉岡がキックで蹴り飛ばし、MAZADAはタッチロープで引っ叩いたり、絞めたりとやりたい放題だ。そんな中、頓所はMAZADAの太ももを踏み台にしたハイキックでようやく脱出。タッチを受けたアンディがこれまでのお返しとばかりにMAZADAを素早い動きで翻弄していく。一方のMAZADAもDDT、ラリアットで形勢逆転。続く仲川もミサイルキックで見せ場を作る。両軍が入り乱れる中、頓所の雪崩式フランケンシュタイナーを皮切りにクルーザー戦士が次々と場外へと飛ぶ。吉岡のラ・ケプラーダ、MIKAMIのトルニージョが空中を舞い、観客を魅了。その中でMIKAMIがスワンダイブ式のダイビングエルボーアタック、さらに619を披露。これを吉岡は回避して、clock strike。これはかわされるが、すかさずキックをお見舞いしていく。ならばとMIKAMIは雪崩式のスクールボーイからディープ“M”インパクトを発射だ。これがきっちり炸裂して、MIKAMIが王者・吉岡から3カウントを奪った。
試合後、黒いアンディ・ウーのようなマスクをかぶり、Enfants TerriblesのTシャツを着用した謎のレスラーが登場。アンディを襲撃して立ち去っていった。
吉岡&仲川のコメント
吉岡 負けちまったけど、あんな奴にタイトルマッチできるのか? 考えさせてくれ。
仲川 俺に挑戦させろ!
- 第五試合
- UWA世界6人タッグ選手権試合 60分1本勝負
- 16分22秒
- ムーンサルトプレス→片エビ固め
※第58代王者組・征矢学&NOSAWA論外&タナカ岩石組が5度目の防衛に失敗。黒潮“イケメン”二郎&土肥孝司&熊ゴロー組が第59代王者組となる。
序盤、挑戦者組のイケメンが捕まる展開に。巧みなチームワークで3人がかりでイケメンを傷めつけていく。10分過ぎ、イケメンは論外をファイヤーマンズキャリーから前方に叩きつけてようやく脱出してみせた。だが、王者組は主導権を譲らない。征矢がパワフルな攻撃で土肥を攻め立てる。ところが、征矢が土肥に放ったワイルドボンバーが論外に誤爆。ここでタッチを受けた熊ゴローと土肥が巧みな連係で王者組に攻め込む。土肥のギロチンドロップと熊ゴローのダイビングセントーンを同時に炸裂させる合体技も決まり、挑戦者組が一気にチャンスを握った。ところが、トドメとばかりに放った熊ゴローのダイビングセントーンは自爆。だが、挑戦者組は流れを譲らず、イケメンが代わった岩石にコーナーでのジャンピングハイキック、ライオンサルトだ。一方の岩石も頭突きとバックドロップでイケメンに反撃。さらにダイビングヘッドバットを投下すると、グラウンドで関節技に捕らえた。ところがここで土肥熊がカット。頭突きで抵抗する岩石を蹴散らし、熊ゴローがダイビングセントーンを投下。最後はイケメンがムーンサルトプレスを炸裂させ、3カウントを奪った。
イケメン&土肥&熊ゴローのコメント
土肥 UWAは俺らが持っているほうが光り輝くんだ。どこでも防衛戦するから。文体で負けた3人だけど、これきっかけに這い上がる。
熊ゴロー やってやろうぜ。
イケメン とにかく本当に心強かったから。
土肥 この3人で組んで落とす気はしない。
イケメン ちょっとよろしくお願いします。
土肥 ところでタッグリーグ、勝手にお前とのタッグで発表されちゃったじゃん。本当にタッグリーグに関しては会社に抗議しようと思って。お前は俺と出たいんだろ?
熊ゴロー いや、俺も発展的に上にいこうと思って探していたんですよ。ちょっと他団体から連れてくるしかないな。でも、発表されちゃったから。
土肥 お前はプロレス界の大海原から探してこい。
征矢&論外&岩石のコメント
論外 俺の頭の中、大仁田厚でいっぱいで今日のUWAは頭に入ってなかった。とりあえずちょっとUWAっていう足かせが今日で解かれたわけだから、ちょっと俺とお前でW-1で遊んじゃわない? 俺はタッグリーグ、最高のパートナーのMAZADAで出てよ、一番に勝つからよ。
征矢 ちょっと待て! 決まってんのか? 納得しないぞ。
論外 もしかしたらカシンに変わるかもしれない。大仁田に変わるかもしれない。俺たちが遊ばなくなったら潰れるぞ。俺は今日もお前と四谷に飲みに行く。
征矢 聞いてないぞ! 今日は飲まないって言っただろ!
論外 こいつも秘めた遊びの心を持った奴なんだ。覚醒してこの会社をぐちゃぐちゃにしてやろうぜ。とにかく俺と征矢で盛り上げていくから。俺の頭の中は大仁田厚でいっぱいなんだ。
征矢 おい、岩石よ! 今日の勝ちとか負けとかそういう問題じゃないんだ。ここで止まるのか?
岩石 止まんないですよ! 進みますよ、俺は!
征矢 いい意味で遊んでやるよ!
岩石 タナカ岩石こっからだ!
- 第六試合
- WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ 60分1本勝負
- 11分51秒
- ウラカン・ラナ
※第11代王者組・カズ・ハヤシ&近藤修司組が初防衛に成功。
場外を逃げ回るようにして撹乱していたカズだが、河野&伊藤に捕まる。伊藤の重爆キックなどで苦戦を強いられたカズはコーナーでコンプリートショットを放って形勢逆転。代わった近藤が河野と伊藤をまとめて蹴散らし、河野にはランサルセを炸裂させる。河野と伊藤も負けじと対抗。四者が入り乱れる攻防が繰り広げられ、4人揃ってダウンする展開となった。その後、カズと伊藤が対峙。カズはライオンサルトから厳しいステップキックを伊藤の顔面に見舞っていく。ならばと伊藤もパワースラムで反撃。さらにフライングニールキックも炸裂させる。ここがチャンスとばかりに河野も出てきて、ダブルのフロントキック、ダブルのブレーンバスターでカズを攻め立てる。しかし、カズは伊藤のサッカーボールキックをかわすと近藤も入ってきてスピードを活かした攪乱戦法だ。それでも伊藤はカズにジャーマンスープレックス。これは近藤がカットしたが、伊藤は続けてダイビングボディプレスを投下する。さらに伊藤は水面蹴りからサッカーボールキックをカズにぶち込み、ジャーマンスープレックスを狙う。だが、これを近藤がカズごと潰すボディアタックで回避。ならばと河野が近藤をチョークスラムで叩きつけて排除すると、伊藤がカズにトドメを狙いに行く。しかし、近藤もすかさずリングに戻りロープワークを使った撹乱戦法だ。そして近藤が河野をラリアットでなぎ倒している間にカズがウラカン・ラナで伊藤から3カウントを奪った。
カズ&近藤のコメント
近藤 やばい。今のうちに潰さないと。芦野に続いて第二のモンスター作っちまった。でも、これでタッグリーグ、チャンピオンとしてエントリーすることになったから。みんなに胸を貸す。これが社長と副社長のあるべき姿だ。
カズ 怠慢はしないよ。怠慢はしねえぞ。ウチらが先頭に立ってW-1を引っ張ってやる。あぐらかくつもりはねえんだ。
近藤 これが連係ってもんだよ。これが本当の連係なんだよ。ただ単にツープラトンやるだけじゃない。これはタッグリーグのヒントだぞ。
河野&伊藤のコメント
伊藤 俺に正面から勝てへんから。マジか……。
河野 こっちは一発一発デカイから。
伊藤 もうちょいだったッス。
河野 でも、あれは負けじゃない。次やったら勝てる。練習だよ。俺らでタッグリーグ出るからね。
伊藤 ぶっちぎりで優勝して。
河野 もう一回挑戦。
伊藤 ボコボコにして引きずり下ろしてやるよ。
河野 (伊藤の着ているACEのTシャツを指して)あとお前、もうそれいいんじゃない? ACE。W-1にどっぷりで。会社にアピールしろよ。こっちのリングで腹決めてさ、今日の感じもそうだったじゃん。次のステップいくぞ。
- 第七試合
- WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負
- 30分13秒
- アンクルロック
※第11代王者・芦野祥太郎が5度目の防衛に成功
序盤からグラウンドで力の入った攻防。手四つの攻防では会場からもどよめきが起きる。さらにお互い、アンクルロック、卍固めを仕掛けるなど、気の抜けない展開となった。しかし、ショルダータックルから稲葉が主導権を握り、得意の顔面ウォッシュへ。ところが、場外に出たところで芦野のセコンドについていた児玉と立花が竹刀やACEの頓所らを凶器に稲葉を襲撃してくる。これを稲葉のセコンドであるイケメン、土肥熊が排除。イケメン、土肥は立花から竹刀を取り上げて、児玉たちを稲葉から引き離した。しかし、リングに戻ると芦野が主導権を握る。稲葉の左足首を取ってジワジワとダメージを与えていく。さらにフロントスープレックスを決めた芦野。手を広げて勝ち誇って見せた。だが、コーナーに詰められた稲葉は至近距離からドロップキックを芦野の胸板に炸裂させると、怒りの顔面ウォッシュ。さらにランニングローリングセントーンを炸裂させ、コーナーに上がろうとした。ところがここで児玉がリングサイドに上がってきて邪魔をしてくる。これを稲葉はラリアットで排除。串刺しドロップキックを炸裂させた。しかし、コーナーに上がったところを芦野に捕獲され、雪崩式のフロントスープレックスを食らってしまう。それでも稲葉はバックドロップから前に落とす技で対抗。芦野のアンクルロックも回避し、卍固めを仕掛けていく。芦野に逃れられると投げっぱなしジャーマンだ。芦野も巧みに足を狙ってアンクルロックへいくが、稲葉は決定的なところで極めさせない。卍固めを仕掛け、さらにロープに逃れた芦野にロープを絡めた卍固めも極めてみせた。芦野も引かない。エプロンに出てきた稲葉をエルボースマッシュで迎撃すると、なんと断崖式のジャーマン! 場外に投げ捨てられた稲葉はこの捨て身の大技で大ダメージを負ってしまった。グロッキー状態の稲葉に芦野は逆片エビ固め。さらにマフラホールドで足にダメージを与えていく。続けて芦野はグラウンド状態でドラゴンスクリューの要領で稲葉の足を一捻り。アンクルロックへの布石を打っていく。足の自由が利かなくなり始めた稲葉はエルボーで反撃するも力が入らない。逆に芦野にスタナー、サイドスープレックス、フロントスープレックス、ジャーマンスープレックスと大技を次々に食らってしまう。芦野も攻撃を手を緩めない。今度は稲葉をトップロープでサイドスープレックスの体勢に抱え上げた。さすがにこれを食らってはたまらんと、稲葉も全力で回避。逆にコーナーに上がって芦野に攻撃を加えにいく。何度落とされても食い下がる稲葉は下から頭突きを土手っ腹に見舞って逆転。渾身の力で雪崩式ブレーンバスターを放ってみせた。両者ダブルダウン状態となったが、先に立ち上がったのは芦野。稲葉に容赦ないエルボースマッシュの連打を見舞う。それに対して稲葉も張り手で抵抗するが、芦野はさらに強烈な張り手で逆襲。稲葉を仁王立ちで見下ろしていた。ところが続く張り手を稲葉はカウンターで一撃! これで強烈に決まって芦野はダウン。リングドクターも出てくるほど、芦野に稲葉の張り手が効いている様子だ。このボスの危機に児玉がリングに介入しようとしたが、すかさずイケメンがトペ・コンヒーロを放って児玉の介入を許さず。そのままゲートをくぐって、児玉を排除する。さらに土肥も立花を抱え上げて会場から追い出した。あとは芦野と稲葉の一騎打ち。芦野がエルボースマッシュを放てば、稲葉もエルボーで対抗。両者フラフラになりながら、エルボー合戦を展開する。さらに両者はジャーマンスープレックス合戦を展開。ここを競り勝ったのは稲葉。芦野が一回転するほどのジャーマンで投げ捨て、ダイビングヘッドバットで追撃。そして、極反り卍固めからカナディアンデストロイヤー、タイガースープレックスと大技で芦野を追い込んでいく。そして、極反り卍固めを極めた稲葉。万事休すと思われたが、芦野は気力でこれを外すとすかさずアンクルロック! 稲葉も外そうとするがなかなか外せない。一度は丸め込もうとするが、芦野はキックアウト。絶対に稲葉の足首から手を放そうとせず、ついにリング中央でガッチリと極めた。なんとか耐え続けた稲葉だが力尽きた。ついにタップアウトし、芦野が稲葉の挑戦を退けたのだった。
試合後、マイクを握った芦野。「稲葉さん、あんたの魂はしっかりと受け取りました。正直、こんなに苦戦するとは思わなかったです。でも、やっぱ稲葉さん、粘り強いッスね。俺はこのベルト、ずっと持ってるんで、もしもう一回やりたいなら、一番下から這い上がってこい。どうぞ、お帰りください。これでベテラン、NEW ERA全員から防衛しました。5回だよ、5回。俺は何度でも誰が来ても防衛します。これからW-1のためにもの凄くリスクがあるかもしれないけど、他団体も視野に入れて俺はやっていきたいと思っています」とアピールしていたが、その間も一度も挑戦していない熊ゴローが目の前をチョロチョロしている。芦野はずっと無視し続けていたが、「お前よ、どの面下げて出てきてんだよ。タイトルマッチ終わったら出てきて挑戦できると思っているのか? W-1らしいな。熊ゴローが挑戦者でいいと思う人?」と観客に問いかけた。観客は歓迎するも、芦野は無視。そしてここでタッグ王座を防衛したばかりのカズ&近藤も登場。そこにイケメンも出てきて、「タッグリーグに優勝したら、タッグタイトルに挑戦できると言うのは知っています。でも、タッグリーグで優勝したら、シングルにも挑戦できる副賞もいいかなと」と、図々しい提案をし始める。カズは「ダメに決っているだろう」と突っぱねたが、近藤が「社長、次のチャレンジャーが決まってないんですよ。もしかしたら、この意見、面白いかもしれないですよ」と乗り気な姿勢を見せると、すぐさま「そうですね」と受け入れてしまったのだった。
芦野のコメント
「もっと俺は圧倒的に倒せると思っていました。すげえな稲葉大樹。あんなに粘り強い人間見たことないですよ。ゾンビかと思った。あれが彼なりのW-1への気持ちなんだろうと感じましたね。俺は俺のやり方があるし、ただ単に出てきたから挑戦できるベルトにしたくないんですよ。でも、無茶苦茶だけどタッグリーグ優勝した奴が挑戦してくる。それもW-1らしい提案なのかなと思っています。これから俺たちEnfants Terribles、今日は立花がダメだったみたいですけど、新しいメンバー、ドランクアンディですよ。ドランクアンディ。酔拳の使い手です。本当に彼はかき乱す存在になってくると思うんでね。次の俺たちEnfants Terriblsの動向にご注目ください」
稲葉のコメント
「今日のタイトルマッチで僕の4年間の思いをぶつけたんですけど、負けました。自分でギブアップしました。今日は芦野に気持ちで負けたかもしれない。本当に凄いチャンピオンでした。あいつが今のW-1の最強かもしれない。今の最強かもしれないけど、俺も旗揚げからずっといる意地があるんでまたこっから芦野に言われた通り、一から、いやゼロからもう一回頑張っていきたいと思います。今日は僕の負けです。認めます。芦野は強い。強かったです。ありがとうございました」